一般社団法人 全国中小建設工事業団体連合会
一般社団法人 全国中小建設工事業団体連合会

会長挨拶

会員サポート体制の充実に邁進

会長 上田 禎昭

 全中連は、中小建設事業者の経営支援を図るとともに健全な発展に寄与することを目的に設立され、会員の皆様とともに中小建設事業者の地位向上と建設技能者の待遇改善を図る事業に鋭意取り組んでいるところでございます。

 去年の4月1日に働き方改革関連法の改正が建設業にも適用され、労働時間の上限が厳格に規制されたことにより今まで以上に効率的な業務運営が求められましたが、建設業の労働時間は全産業平均より長く、週休2日制の導入も遅れているのが現状です。長時間労働の常態化や休日の少なさは、若手の業界離れを加速させる要因につながっています。後期高齢者の人口割合が増え、極端な少子・超高齢社会が進行する現在において、建設業の担い手不足が一層深刻化しています。そこで政府は、昨年6月21日「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」を公布しました。

 これにより、技能実習制度を抜本的に見直し、我が国の人手不足分野における人材の育成と確保を目的とする新たな在留資格として育成就労制度が創設されます。この制度は外国人労働者のスキル向上とキャリア形成を支援し、日本での長期的な就労を促進するとともに多様な業界での労働力を確保することを目指しており、育成就労制度の基本方針及び育成就労産業分野ごとの分野別運用方針を策定することとしています。分野別運用方針においては、生産性向上及び国内人材確保を行ってもなお不足する人数に基づき分野ごとの受入れ見込み数を設定し、これを受入れ人数の上限に運用するとして、2027年開始予定、移行期間3年、新制度への完全移行30年を予定しています。

 また、この4月からは省エネ基準の全面的な適合義務化と建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し等が行われます。建築基準法第6条第1項第4号に該当する建築物の審査の一部を省略できる4号特例が縮小され、木造2階建て住宅と延べ200平方メートルを超える木造平屋住宅などが該当する新2号建築物と、述べ面積200平方メートル以下の木造平屋住宅が該当する新3号建築物が新設されます。さらに、2030年度温室効果ガス46%削減(2013年度比)、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて建築物省エネ法が改正され、原則すべての建築物の新築・増改築時における省エネ基準適合が義務付けられます。

 このように、これからの建設業界は構造的な改革が控えておりますが、全中連では会員の皆様に対して迅速な情報の提供に努めますとともに、外国人技能者支援事業や建設キャリアアップシステムの登録、石綿取扱い作業従事者特別教育やフルハーネス型墜落制止用器具特別教育、職長・安全衛生責任者教育などの各種安全衛生教育、全中連保険制度などを通して会員サポート体制の一層の強化に邁進する所存です。